アパトサウルスです。氷河期世代として色々思うことを書き殴ってみました。
日本の会社から新しいモノがでてこなくなった
日本の会社から新しい商品やサービスが出てこなくなりました。その原因は日本企業の中で氷河期世代の層が薄く、存在感を発揮できていないことにあると思います。中間の年齢層がいないため、上の世代と下の世代でコミュニケーションが断絶しているのです。
とくに技術的な背景を50-60世代と20-35世代で共有できないのは致命的です。
昔は日本の会社から世界のどこにもない新しい商品やサービスが生まれていました。トヨタのハイブリッドカーやシャープの液晶テレビ、青色LEDなどなど。ところが、21世紀になってからそういう世間をあっと言わせるモノが日本から出てこなくなりました。 IPS細胞くらいではないでしょうか。革新的だったのは。
変わって登場したのが、アメリカ初の商品やサービスです。アップルのiPhoneの発売が2007年です。Amazonのkindleも同年発売されています。ちなみにAmazonが日本で書籍の販売を開始したのが2000年です。facebookが2004年、twitterが2006年に登場しています。Youtube(現在、Googleの子会社)の設立が2005年です。
ここ、2、3年はアメリカに成り代わるように、中国から未来を感じさせる新しい商品やサービスが出てくるようになりました。PayPayに代表されるQRコード決済。あるいは、空飛ぶスマホと言ってもよいくらいに高度化したドローンです。日本ではドローンというと、21世紀のラジコンというくらいの認識ですが(最近変わってきたのかな?)海外では、スマホやGO PROと同じように、新しいタイプの撮影機材として認識されています。
中国製のドローンは、一眼レフやGO PROがシェアを握っていた映像制作の世界で、どんどんシェアを奪っています。AIを搭載し、誰でも操作できる扱いやすい商品に進化してきています。特に民生用ドローンの世界では、中国のDJIという会社が、技術的にも、市場シェアでもトップを走っています。
QRコードは元々日本で開発された技術です。中国のドローン技術にしても元々はアメリカの軍事技術を中国が盗んだモノだと言われています。QRコード決済という手軽で便利なサービスを生み出したこと。要人の暗殺など、軍事用にしか想定されていなかったドローンと関連するAI技術を、これまでになかった撮影機材へと応用させたこと。
中国の技術者の実力は決して侮れるモノではありません。また、新しい技術やサービスを受け入れる社会の柔軟性も脅威です。
原因は日本の会社のそこかしこでバベルが崩壊していること(世代コミュニケーションの断絶)
バベルとは何か
Wikipediaを参考にしました
旧約聖書にエピソードが出てきます。
昔、全ての地は、同じ言語と言葉を用いていました。あるとき、人類が神に挑戦して天まで届く塔を作ろうとしたところ、神の怒りを買いました。神は人々が互いにコミュニケーションを取れないように言語をバラバラにしてしまいました。バベルというのはこの塔を作ろうとした地名のことです。バベル、あるいは、バベルの塔というのはコミュニケーション不全の例えとして用いられるます。そういえば、2006年の映画で「バベル」という作品がありました。
氷河期世代の正社員が少ない
日本の会社は、35才から45才までの、いわゆる氷河期世代の数が少なくすっぽり抜けています。直接の原因はバブル崩壊後の不況で企業が新卒の採用を絞ったことです。それ以外に状況を悪化させた要因が幾つかあります。
政府による派遣法の改悪。企業が中国進出のため国内の雇用を減らしたこと。
結果、氷河期世代はその前後の世代と比べて数が多いにも関わらず、正社員の数が少ないという歪なことになっています。現場で働く人数は多いかも知れませんが、非正規で働いているために発言力がありません。
数少ない氷河期世代の正社員は上の世代がぶん投げてくる仕事をこなすだけで精一杯という状態ではないかと推測します。
50-60世代と20-30代前半の世代でコミュニケーションが取れていない
通常のコミュニケーションを取る際に、上と下の世代を繋ぐ話題が存在しない。
技術者前提で話を考えます
50-60世代 ハードウェアに強いと思います。子供の頃は工作少年の世代でしょうか。電子工作、模型飛行機、ラジコン制作などなど。コンピュータと言えば、マイコン世代でしょうか。 シャープのポケコンとか。コンピュータゲームと言えば喫茶店のインベーダーゲームで遊んだ人がいるくらいでしょうか。
20-35世代 物心ついた頃にはインターネットとパソコンがあって当たり前です。WindowsはXPか7で安定していて当たり前。Macと言えばジョブズ復活後のMac OS Xです。元々UNIXがベースですから最初から安定していました。最初に触れたインターネットはYoutubeの動画。一番身近なコンピュータはスマホ。基本的に工作や電子工作なんてしない。
プログラミング言語はC言語は飛び越して、JavaScriptやPython。ゲームはスマホ。
といった感じでしょうか。
ここ、20年でIT関連の技術が指数関数的に進歩したのです。今の50-60代にとってスマホもAIもまるで理解できない魔法のように感じているんじゃないでしょうか。その魔法を当然のように使いこなす若い世代を理解できるはずもありません。
個人的には理解できないなら、努力しろって思いますけれど。
上の世代も下の世代も会社を良くしようと思っている。このままではいけない
日本の会社から新しいモノが出てこないという危機感は50-60世代も、20-35世代も共有していると思います。
日本が今でも海外で戦えているのは自動車くらいでしょうか。自動車、家電、テレビ、カメラ 各種センサー 昔に比べて、格段に性能は良くなっていますが、従来になかった新しい製品が登場したわけではありません。
50-60世代 は自分たちになじみのある製品を20-35世代のIT知識を使ってアップデートしているだけのように思います。
アメリカや中国だと、 20-35世代の若い感性が生み出すアイデアを50-60世代が理解できるように伝える人たちがいるわけです。
あるいは、50-60世代の考え方、世の中の見方、マネージメント、彼らが会社で成し遂げてきたことを 20-35世代に伝える人たちがいます。
30代後半から40代にかけての、所謂、氷河期世代に相当する年齢層の人です。
35-45世代 氷河期世代とはどういう人なのか。
子供の頃はラジコンやミニ四駆ブーム。TVゲーム。いわゆる、ファミコンが登場した世代です。パソコンといえば、Windows95やMacを10代後半から20代前半にかけて触りました。
WindowsにしろMacにしろ、アメリカの作るシステムがいかに不安定だったか身をもって体感しています
日本国内に置いては国産のビジネスソフトもそれなりにシェアをもっていました。アメリカ製のソフトと比べて特別使いにくいとか性能が劣っていると言うこともありませんでした。ワープロソフトと言えば一太郎でした。マイクロソフトのWORDの使いにくかったこと。他には、国産で桐とかいうデータベースソフトもありました。
プログラミングといえば、マクロアセンブラなC言語かそれをオブジェクト指向で難解にしたC++。Visual Basicもありましたけど。
まとめ
20代から30代前半の世代がまずいのは、GoogleやアップルやAmazonのサービスをIT技術を神の御業のようにあがめていることです。彼らは技術的にもアメリカはもとより、中国の同世代と比べてもレベルが一段落ちるように思います。
50-60世代が進歩させた工業技術を、20-35世代の感性を軸にしてアップデートすれば、再び日本から新しい商品が出てくるのではないかと僕は思うのです。
そのためには、氷河期世代を活用するしかないと思います。
ハードに偏った50-60世代の感性とソフトに偏った20-35世代の感性の両方を理解できるのは氷河期世代以外にはいないと思います。
50-60世代はまだまだ大学への進学率が低かった世代です。新入社員が大卒ばかりという状況を受け入れがたい人も多いと思います。そして、パワハラに走る。
氷河期世代であれば、学力のある人の多くは大学へ進学しているため、大卒の若い世代に拒絶反応を示すこともありません。また、この世代は人数が多いため企業がしっかりと雇用して給料を払えば、国内経済が活性化します。今の若い世代の給料をどれだけ増やしても数が少ないため内需拡大とはなりません。数が多いと言うことは優秀な人材も多いと言うことです。日本の技術ひいては日本経済を浮上させるには氷河期の活用以外に方法はないと思います。
経団連は優秀な外国人を当て込んでいるようですが、海外からは沈み行く国だと見捨てられている日本に優秀な外国人が来てくれるわけがないのです。そもそも、近頃は優秀な外国人は発展途上国の人間であっても、自国でそこそこの給料をもらえます。家賃や生活費などを考えると自国の都市部で暮らす方が日本でサラリーマンをやるよりもよほどよい生活が送れます。
本当に優秀な人材は欧米を目指すでしょうし、中国で働くというのも十分に選択肢にはいっているでしょう。
追記
それにしても、政府は20年間、氷河期世代をほったらかしにして何をしていたんでしょうか?アベノミクス第三の矢は「女性の活用」ではなくて「氷河期世代の活用」であるべきでしたね。そうすれば、少子化もここまで深刻な事態にはなっていなかったでしょう。
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